[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
大き目のタンブラーから、氷の崩れる音が涼やかに響く。
冷やされた表面に水滴をたたえ、それが時折、張り付く事に耐え切れずに滑り落ちる。
テーブルとの接面には、タンブラーの底を囲むように、水が細く輪を作っていた。
エドワードはそのタンブラーを手に取ると、3度ほど喉を鳴らして飲み下した。
コーヒー独特の酸味と苦味が、舌の上を転がって胃の中へ落ちてゆく。
そうやってこの暑い日を、喉から涼をとる事で癒していた。
「ちょっとぉ、エド居るぅ?」
そう言いながらやってきたのはウィンリィ。
髪をいつものように一つに結わい上げ、見た目はいかにも涼しげだ。
だか、それは単に見かけだけのようで、よく見ると鼻の頭や髪の生え際に薄っすらと汗をかき、
頬の辺りを上気させながら「あ~つ~」と暑さでいかにもダルそうに振舞った。
使い込まれたロッキングチェアに身体を預け、いつもの如く読書に耽っていたエドは
乱暴に床を踏み、大声で読書の時間をジャマした声の主をじっとりとした視線で見た。
「うっせぇなぁ。もう少し静かに出来ねぇのかよ」
「集中していたんじゃ大声で呼んだって聞こえないくせに。まったくよく言うわよ」
ウィンリィはふふんと鼻で笑うと、エドの目の前に黒い物体を突きつけた。
手に取り、広げてみると、それは何着か持っているタンクトップのうちの1枚だった。
「これアンタのでしょ? 間違って私のランドリーに入ってた」
「あ?……そっか、悪りぃな」
受け取ったそれを無造作にまとめると、目の前のテーブルに放る。
広がってそこに止まるのを視線の端でとらえると、
まるで布自身も暑くて伸びているのかと錯覚しそうになった。
すぐ脇でだらしなく舌を出して荒い息を吐くデンを横目でちらと見ると、
ひょっとしてこいつの影なのではないか?とすら思える。
まぁそんな事はどうでもいいさと、伏せた本をまた開く。
続きを読もうと文字列を探っていると、去り際にウィンリィが呟く。
「間違えて袖通しちゃったケド、気になるならもう一度洗ってね」
へ?
思わず、文字を追う目が止まる。
その視線はテーブルの上のだらしない布切れに向けられていた。
「ちょっ……こここ、これ、き、着たのか?」
「そうよー。 似たようなもの持ってるから間違えちゃった。」
まったく紛らわしいのよねー。
その声が、遠ざかる足音と共に部屋の壁に反射する。
生唾を飲み込む音が耳に煩い。
視線はあのタンクトップに固定されたまま動かない。
そろそろと両手を伸ばすと、両手でゆっくりと摘み上げた。
だらしなく広がっていた布キレは、摘み上げた事で本来の形を取り戻す。
額から流れる汗は気候のせいだろうか?
はたまた別の理由だろうか?
そんなモン知ったこっちゃねぇとばかりに、吊り上げたタンクトップを凝視する。
『こ、ここにあれがっ……』
そんな不謹慎な事を考えてしまうのもまた暑さのせいだと、
誰に責められているわけでもないのに口走ってしまうからもう末期だ。
「それからエドぉ?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
手にしたタンクトップを思わず放り投げると、反射的に後ろへズッた。
座っていたのがロッキングチェアだったために、ひっくり返りそうになり慌ててしがみつく。
何よ素っ頓狂な声出して、と不振な顔をするウィンリィに、
平静を装いつつ何でもねぇよと強がって見せる。
動揺しているのが丸わかりなのに、ウィンリィはそこを見逃してくれたらしい。
暑さにでもやられたの?とさらっと流してくれたのだ。
エドワードはホッと胸をなでおろす。
「あんた、背が伸びてるって言ってもまだまだねぇ。 胸回りがキツイッたらなかったわぁ」
あぁ暑いと、手にしたアイスキャンディを頬張ると、どこへともなく去って行った。
残されたのは悶々とした感情を抱えたままのエドワード。
『こ、これがキツイだって……』
放り投げたタンクトップを再び手に取ると、胸の前に当ててみた。
わりとピッタリとしたデザインのもので、エドワードそういった物を好んで着ていた。
重たい機械鎧を支えるために割りと胸筋は鍛えられているほうだと思う。
それだけではなく、日頃の鍛錬で全体的に筋肉が付いている筈。
そんな自分が着ていても、まったくキツイとか思った事がないのだ。
それをキツイという事は!
【アイツ、どんだけ乳デカイんだーーーーー!】
手にしたタンクトップを片手で握り締め、その場で固まったエドワードに、
水汲みを言い渡されたアルフォンスが、そんな兄にしれっと言いながら通り過ぎた。
「いいから鼻血拭きなよ兄さん。 失血死する気?」
残暑お見舞い申し上げちゃいます。
アホなネタでごめんなさい。
これでもエドウィン愛してますスミマセンヌ。
そして拍手もありがとうございますですよ。
そんなアナタが大好きぃぃぃぃvvv
そうですよ、妄想して一人興奮するのが青少年ですよ(笑)
鼻血ふき取った後に、思わず匂いを嗅ごうとして
これまたアルに止められる様を想像して噴いてください(爆笑)
またきてくださいねv